ふくれ菓子とは
FUKU+REのルーツを訪ねて | |||
「ふくれ菓子」は、小麦粉と砂糖と重曹を混ぜ、せいろでふっくらと蒸し上げた懐かしい味わいのお菓子。鹿児島では、ひと昔前までは、お母さんやおばあちゃんが手作りしてくれる家庭の味でもありました。 |
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そんな昔ながらの「ふくれ菓子」を今でも手作りしている方がいると聞いて、鹿児島県霧島市の黒江さん宅を訪ねました。 | |||
鹿児島市から車で一時間、天孫降臨の地としても知られる自然豊かな霧島市。地図を片手に山道を抜けて行くと、澄んだ空と山並み、そしてたわわに実った果樹や畑に囲まれて、黒江さんの家が静かに佇んでいました。 >時がゆっくりと流れている穏やかな場所。ここで、千代子さんは、ご主人の満穂さんが裏山で切り出してきた薪を焚き、週に2、3回ふくれ菓子を作っています。 材料は中力粉と砂糖と重曹。「ふくれ菓子」のレシピは、家庭や地域によって少しずつ違います。千代子さんのレシピは、昔働いていた建設会社の奥さんに教えてもらったものだそうです。 |
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「ふくれ菓子」をおいしく作るには、粉と重曹を丁寧にふるいにかけて、砂糖を加え、手でこすり合わせるようにして満遍なく混ぜるのがコツ。小麦粉と黒砂糖と重曹で作るのが最もベーッシックな「ふくれ菓子」ですが、今回は、小麦粉と白砂糖と重曹に、家の畑で摘んだ蓬(よもぎ)の葉をゆがいてミキサーにかけたものを混ぜ、“蓬ふくれ”を作ることになりました。季節ごとの自然の素材を取り入れて、いろいろなバリエーションを広げられるのも「ふくれ菓子」のいいところです。 |
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蓬を加えて、ダマにならないように丁寧に混ぜ合わせます。 |
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ご主人の満穂さんは、裏山で切り出してきた薪を使って釜の準備。パチパチという音とともに、薪特有の静かで力強い炎が熾り、釜の湯がグラグラと沸き始めました | |||
千代子さんが、湯が沸く釜の上に、近所の大工さんに特注して作ってもらった木製のせいろを置き、生地を流し込こみます。 | |||
ふたをして2時間。ふくれ菓子がふっくらと蒸し上がるのを待ちます。 |
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ようやく蒸し上がりました。ふたをとると、立ち上る湯気と共に、蒸し菓子特有の甘く幸せな香りがあたりいっぱいに広がります | |||
せいろを返して生地を少し冷ましてから、ケーキカットならぬふくれカット。ふわっふわの生地をつぶさないように、絶妙の力加減でやわらかく包丁を入れていきます | |||
千代子さん作「ふくれ菓子」が完成。出来立ての「ふくれ菓子」から、ほんのり甘い香りが立ち上り、あたりに幸せな空気が広がります。切り分けた一切れをいただくと、表面はつやっと光っていて、中身はふわふわとやわらかく、しっとりと重量感もある不思議な食感。あっさりした甘さでいくらでも食べられそうです。千代子さんも無事完成してうれしそう。作る過程の中では、「出来はどうかしら?」と少しドキドキしつつ、せいろのふたを取る瞬間が一番好きだそうです。 | |||
千代子さんは、「ふくれ菓子」のほか、鹿児島の郷土菓子である「灰汁巻き」と「いこもち」なども作っていて、地元物産店「霧島温泉市場」などに届けています。売り切れそうになると店から電話が来るので、次の日の朝4時には火を熾して注文の品を作り、朝9時には店に届けています。 | |||
手間ひまのかかる仕事は大変ではないですか?と聞いてみました。すると、仕事を大変だと思ったことは一度もないとお二人は笑います。きびきびと一生懸命働くことは自然なことで、むしろそれを楽しんでいるようにも見えました。“小麦粉と砂糖と重曹”というシンプルな材料を使い、山で切り出した薪という自然の力をいただいて作る「ふくれ菓子」。人をあたたかく包み込むような優しい味わいは、千代子さん・満穂さんの人柄と自然のエネルギーが、そこに宿っているからかもしれません。お二人は「食べてくれる人が喜んでくれるのがうれしいから…」と、これからも変わらぬ作り方で、懐かしい味「ふくれ菓子」を作りながら暮らしを営んでいきたい、とおっしゃっていました。 |
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FUKU+REのふくれ菓子 |
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喜界島の純黒糖を使った |
桜島小みかんと屋久島の有機生姜を使った香り高い商品。女性ファン多し。 |
当店一番人気。贈り物にもステキです。 |
ごまがたっぷり。リーピーターが多い商品です。 |